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「ギルティ」「NOPE」と名付けた炭酸が、1週間で2000万本売れた
最近コンビニの飲料コーナーで、ちょっと変わった名前の商品を見かけました。
「ギルティ炭酸 NOPE」。
サントリーが2026年3月24日に発売した新しい炭酸飲料です。名前は英語で「罪悪感」と「ノー」。どう見ても買う気が削がれそうな単語の並びですが、これが発売1週間で出荷本数2,000万本を突破しました。
令和以降に発売したサントリー炭酸飲料の中で、史上最速の記録だそうです。
2000万本、どれくらいなのか
軽く数字を並べておきます。
1週間で2000万本ということは、1日あたり約280万本。日本の人口で割ると、7人に1人が1週間以内に1本買った計算です。実際には複数本買う人もいるので、購入者数はもう少し少ないはずですが、それにしても異常なスピードです。
これまでの炭酸飲料のヒット商品でも、1週間でここまでの数字はなかなか出ていません。
「買うな」みたいな名前で、なぜ売れるのか
商品名「ギルティ炭酸 NOPE」を素直に受け取ると、「ギルティ(罪深い)な炭酸だから、NOPE(無理)」という、どこか自己否定めいた構造です。
普通、商品名には「美味しい」「爽やか」「フレッシュ」みたいな肯定的な単語が並びます。これは逆。わざと「買いたくなさそうな名前」をつけている。
似た構造の過去ヒットを探してみると、いくつか見つかります。カルピスは発音が「牛のおしっこ」に聞こえるという理由で、海外ではCALPICOに改名された経緯がある。それでも日本ではその名前で国民的ブランドになった。ポカリスエットも「汗」という言葉をあえて使った。
「分かりやすく良さそう」な名前より、「何これ?」と思わせる方が、結果的に売れるケースは意外と多い。NOPEもその系譜にあるように見えます。
開発の裏側
サントリーによると、この商品は99種類以上のフレーバーを掛け合わせて作られたそうです。試作は2000通り以上あったとか。
完熟フルーツやスパイスを混ぜた「やみつきになる味」を目指したと、開発担当者は話しています。コンセプトは、いわゆるギルティフード(濃い味・揚げ物系)と一緒に飲むこと。
99種類のフレーバーを重ねるという発想は、炭酸飲料としてはかなり異例です。普通は1〜3種のフルーツフレーバーで勝負するところ、これは複雑で特定の味がしない設計になっている。
ミーム化という援護射撃
発売直後、SNSでCMのワンシーンが切り取られ、大喜利のように拡散されました。「パッケージがおしゃれ」「やみつきになる」という声が広がり、若年層を中心にミーム化が起きた。
つまり、広告費を湯水のように使ったわけではなく、SNSで自然に広がる構造を最初から仕込んでいた。名前の違和感も、その仕込みの一部だったのかもしれません。
知らなくてもいいけど
商品名は、買う前の数秒の印象を決めます。
「ギルティ」「NOPE」で2000万本。この名前を、10年前に出していたら売れなかった気もします。
SNSで「何これ」が拡散力になる時代だからこそ、違和感のあるネーミングが武器になる。次にコンビニで妙な名前の商品を見かけたら、それは商品の失敗じゃなく、計算された違和感かもしれません。



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