マカロニとちくわに「穴」がある、それぞれの理由

日常の疑問

ページコンテンツ

マカロニとちくわに「穴」がある、それぞれの理由

X(旧Twitter)で「マカロニは成長するとちくわになる」というジョークが話題になっていました。

もちろん実際は、マカロニもちくわも成長したりしません。マカロニは小麦粉から作ったパスタ、ちくわは魚のすり身を加熱したもの。原料も製法も全く別です。

ただ、共通点が一つだけある。「真ん中に穴が空いている」ところ。

どちらも穴が空いているのに、その理由は別々らしいと聞いて、ちょっと気になったので調べました。

マカロニの穴は、茹で時間のため

マカロニに限らず、多くのパスタは細い、薄い、あるいは穴が空いた形をしています。これは意外と徹底した機能設計です。

太い小麦の塊を、そのまま茹でるとどうなるか。中心まで火が通る頃には、表面が煮崩れて粉っぽくなります。

そこで、熱の通り道を作るために真ん中に穴を開ける。表面積が増えるので、同じ太さでも茹で時間が短くなる。さらに穴の内側にもソースが入り込むので、味の絡みもよくなる。

マカロニ自体は14世紀頃のイタリア南部で広まったとされます。当時は手で穴を開けていたそうですが、19世紀に押し出し成形機(エクストルーダー)が登場してから、穴の形はバリエーションが爆発的に増えました。ペンネ、リガトーニ、ブカティーニ。全部、熱の通り方とソースの絡み方を変えるための「穴の設計」です。

ちくわの穴は、竹の棒の跡

一方のちくわ。こちらの穴は、もっと古い理由で空いています。

ちくわは日本の伝統的な魚加工品で、起源は平安時代頃とも言われています。作り方は、魚のすり身を竹の棒に巻きつけて、焼くか蒸す。仕上がったあと、竹の棒を抜くと、真ん中に穴が残る。

つまり、ちくわの穴は「機能」ではなく「工程の結果」です。

「竹輪」という名前自体が、竹の棒の周りに巻いた輪っか状の食べ物、という意味。現代では金属の棒を使うこともありますが、穴が空いているのは単純に、製造工程で棒を通す必要があるからです。

竹が使われた理由は、熱伝導と入手しやすさの両方。細い棒があれば巻きやすく、焼いたあと抜きやすい素材として竹が選ばれました。

世界の「穴の空いた食べ物」

ついでに少し並べてみます。

  • ドーナツ:真ん中まで揚げるため。厚みがあると中心まで火が通りにくい
  • ベーグル:茹でる工程で火の通りを均一にするため
  • リングパスタ(アネッリ):マカロニと同じ熱通り理由
  • 蓮根:食べ物の穴というより、植物が空気を通す組織の名残

だいたいの食品の穴は「火を均一に通す」「水を切る」「成形の都合」のどれかに分類できます。

知らなくてもいいけど

マカロニとちくわ、どちらも真ん中が空いている。

でもマカロニは「火を通すために空けた」、ちくわは「棒を抜いた跡」。

同じ形でも、そこにたどり着いた理由が別々なのは、ちょっと面白い。人間が食べ物に工夫した痕跡が、穴の形になって残っている、という見方もできます。

「マカロニは成長するとちくわになる」はジョークですが、穴の理由を並べてみると、確かにどこか親戚っぽく見えてきます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました