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「東京土産」に『これ』がない理由
ゴールデンウィーク。地方に帰省する方も多いと思います。
で、毎年ちょっと困ります。東京から持っていくお土産、何にするか。
京都なら八つ橋、大阪なら551蓬莱、福岡なら明太子、北海道なら白い恋人、沖縄ならちんすこう。どの都市も「これ」と言える定番がパッと浮かぶ。
でも東京は、そうならない。
一応、定番はある
東京駅のグランスタや羽田空港の売店に並んでいる定番は、一応決まっています。
東京ばな奈、舟和の芋ようかん、ごまたまご、東京ミルクチーズ工場のクッキー、雷おこし、人形焼。最近だとシュガーバターの木、ニューヨークパーフェクトチーズ。
並べるとそこそこありますが、地方の定番のような「これがないと帰れない」感がありません。
東京ばな奈、思ったより新しい
東京の土産として一番有名な「東京ばな奈」。1991年発売なので、実はまだ35年くらいの歴史しかありません。
京都の八つ橋(1689年発祥、一説では江戸時代から)と比べると、圧倒的に新しい。
雷おこしは江戸時代(1795年頃)から、人形焼は明治後期。これらは古くからの東京の名物ですが、「京都といえば八つ橋」のような国民的な認知にはなっていません。
都市が大きすぎる、という仮説
なぜ東京には「これ」と言える土産がないのか。
一つの仮説は、都市が大きすぎて文化が拡散している、です。
京都=和菓子、大阪=粉もの、福岡=明太子・とんこつ、というように、地方都市はアイデンティティが一つか二つに集約されています。
東京は違います。江戸前寿司、江戸時代の下町菓子、明治以降の洋菓子、戦後のラーメン文化、平成の高級パティスリー、令和の新しいスイーツ。全部が東京にあって、全部が「東京らしい」。選びにくいのは、選択肢が多すぎるから。
地方百貨店に並んでいる「東京」
面白いのは、地方の百貨店に行くと「東京物産展」で並ぶ商品が、東京駅の定番とはちょっと違うこと。
地方に並ぶのは、東京ばな奈よりも、ヨックモック、ゴディバ、銀座ウエスト、とらやの羊羹、治一郎のバウムクーヘンなど。「東京の高級そうなもの」が選ばれている印象です。
つまり「東京土産」という看板の下で、東京駅と地方百貨店で別のアイテムが動いている。これは他の都市ではあまり起きません。
知らなくてもいいけど
東京土産が選びにくいのは、東京に土産がないからではありません。
逆に、ありすぎて一つに絞れないから、です。
次に帰省するとき、定番に困ったら、あえて「自分が住んでるエリアの、その街らしいお菓子」を選んでみるのも一つの手かもしれません。浅草なら雷おこし、日本橋なら榮太樓總本鋪、銀座ならウエスト、渋谷ならニューヨークパーフェクトチーズ。
「東京」の粒度が大きすぎるなら、自分がいる街の粒度で選ぶ。それが、都市のサイズに合ったお土産の選び方なのかもしれません。



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